漢詩との出会いと事始め

学而不思即罔 
思而不学即殆  論語 為政
夫学須静也   蜀志 
学如不及    論語 泰伯

学んで思わざれは 即ち罔(くら)し
思うて学ばざれは 即ち殆(あや)うし      
それ学問は須(すべから)く 静かなり
学は及ばざるが如く

小生の漢詩との出会いは高校生時代でした。漢文教師で水泳部顧問の有名先生がおられ、夏はいつも赤褌で50メートルプールを悠悠と泳いでおられてました
この先生の入学後の最初のテストが、返り点も振り仮名もない白文:単に漢字が並んだ短文で、詩などが五十題、その大意を日本語で記せという難問でした。
残念ながら、小生のテスト結果は50点満点中たったの7点。優秀な同級生で、その後のテストはことごとく1位を取り続けた猛者が50点中43点でした。彼が満点までに7点不足ということで、全員に7点だけ下駄を履かせてもらい小生は都合14点、当然ながら赤点でした。
それ以後、この先生には年賀状に漢字並べでご挨拶しました。

こういった経緯で、漢詩にはそれなりに興味はあったので、神奈川県漢詩連盟が初心者入門講座(3か月で5回)を開催する案内を新聞に掲載していたことから、喜寿以後の手習いとして早速これを受講しました。
チェロと読書、新聞、TVだけでは退屈だと思い、取り掛かった次第です。
講座の中で自ら実作し、先輩から添削指導を受けて完成した、小生の拙い七言絶句を添付いたします。宜しくご一読頂ければ幸いです。


ここで余分なことですが、漢詩の復習です。
高校時代よく勉強をされた方は記憶されているとは思いますが、何しろ襲い来る年波には勝てず、何も記憶に残っていませんので、習った漢詩の規則を記載させてもらいます。お分かりの方は飛ばして先に進んで下さい。

 句は 二字 二字 三字の七文字で組み立て
 起句 詠い起こし、感動の背景を述べる
 承句 起句を受け、叙述を更に深める
 転句 場面の転換、感動の動機を述べる
 結句 結び、感動の中心、主題を述べる
 各句七文字、都合二拾八文字で成り立つ

小生は、長く長野県小海町の森林ボランテイアに参加し、山に分け入り、成長の悪い木を選別、間伐の作業をしています。表題の「踏破」は、正に文字通り木と雑草の中に入り込み、間伐して道を造ることです。倒木の後には空間が広がり、見通しが良くなると同時に、気分もすっきりとします。その活動を漢詩にしてみました。